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2010年11月26日 (金)

北朝鮮砲撃事件-沖縄知事選との関係 

北朝鮮が韓国本土を砲撃したというニュースが流れたのは11月23日だ。その数日前私は、大阪で開催されていた集会に参加していた。元レバノン大使の天木直人氏を招いて「さらば日米同盟!」というテーマで日米関係での今日的課題を考えていたわけだ。その会場内で沖縄県知事選で伊波氏が善戦しているというニュースを受け、「投票日数日前に必ず何かをやらかすかもしれない。それが心配だ・・・・」という幾つかの発言がなされた。
自宅に帰り着き、ニュースでこれをみて、「ああ、朝鮮半島でやらかしたか」と、身体の芯が熱くなるのを感じた。

東アジアには「危機」を欲しがる輩がいる。

誰がどのように「やらかした」のかの情報は一切持ってはいない。しかし、現在の国際情勢、日本国内の政治状況、韓国の政治状況、東アジアでのアメリカの政 治的位置、経済的状況、これらの判りうる情報を適切に組み立てて行けば、これから何が起きるのかが、うっすらと見えてくる。
そうしたぼんやりとした意識の中で、いろいろと考えている内に、このニュースが飛び込んできた。そして思うことは、「そこまで切迫しているのか」ということだ。
北朝鮮と韓国との緊張は、マスコミ情報やインターネット上での情報では、そのほとんどがあくまでもこの二国間の問題としてとらえているが、実際は違っている。主要にはアメリカの問題なのだ。

そもそも、沖縄を軍事基地化して手放さない理由は、アジアをアメリカの実質上の支配下に置くためである。
一方では、(米国流)民主主義というイデオロギーで、一方では巨大金融資本という財政力で、アジアの国々を縛り付け、巧みに金をアメリカの巨大株主の懐に落としこむ仕組み・システムを作り上げてきた。そのシステムの最終的担保は軍事力という訳である。その要が沖縄ということだ。

今日、この沖縄米軍基地が存続の危機に立たされている。一つは、沖縄県民の反基地闘争だ。民意に応えると言って政権を取った民主党鳩山政権が空中分解したそれだ。もう一つは、米国経済の深刻な不振を根元とする、米軍基地の維持費不足の問題。アメリカは、沖縄の米軍基地を維持できなくなっているのだ。

そこで出てくるのが、「思いやり予算」の拡大解釈だ。現在でも在日米軍の駐留費の一部を国民の税金で負担している現実がある。これをもっと増やしてしまおうというプランが実は存在する。米国国内では、財政悪化が進み、「なぜ米国民の税金と命を使って、日本を守らなければならないのか」と言う声が多くあがっている。米政府はこの声に応えなければ政権の維持が出来ない。しかし、沖縄を手放すと、アメリカは世界の盟主としての地位を失い、同時にアジア各国からの上納金も失い、太平洋と大西洋に挟まれた一つの小国に成り下がってしまう危険があるわけだ。

また、日本国内にも米軍基地を必要とする事情があるが、それは別の機会にでもふれてみよう。ただし、「外国の脅威から守って貰う」などという脳天気な理由などではないし、月額30万以下で生活している日本国民とは縁のない事情である。

数ヶ月前の哨戒船沈没事件も、当初は単なる事故を北朝鮮のせいにしているのだと思っていたが、今回の韓国側の度重なる軍事的挑発を知ると、これも怪しく見えてくる。

私の今考えていることは以下のようである。

1.沖縄県知事選挙で負ければ(伊波氏が勝利すれば)、菅政権のみならず、民主党の誰を立てても、また自民党の誰を立てても、沖縄の問題は解決できなくなる。解決できずに放置すると、沖縄はもとより、日本全国に様々な問題での国民的闘いを押さえられなくなる。

2.選挙の結果がどう出ても、米軍基地の存在意義を正当化するため、「国際的危機」が必要となり、それが「北朝鮮の脅威」である。知事選をこれで勝利に招き、沖縄県民の不満を一時的に抑え込む。負けても、日本政府に「超法規的措置」を発動させられる。だから、どうしても朝鮮半島では「危機」を演出する必要があった。

3.李明博政権には政権維持という別の事情があり、米国の誘いに(何度も)乗ってきたのだろう。彼も「北の脅威」を必要としている。日本の場合とは違い、与党も野党も米国の飼い犬という訳ではないから、そこは日本よりも深刻なわけだ。

4.米国の方は、「金はないけど基地は維持したい」という虫の良い事情により、日本や韓国に税金を投入して貰うために、「北の脅威」を必要としているわけだ。

5.だが問題は簡単ではない。田中宇氏が「意外と効果的な北朝鮮の過激策」で指摘しているが、今回の挑発は北朝鮮にもメリットがある。6カ国協議に参加しなくても良いという免罪符を得ることが出来るからだ。経済的には中国経済と深く結びつき、マスコミが流しているような経済的危機からはすでに脱しているという情報がある。中国の経済的発展を見れば、それは妥当な判断だ。
一方、米国の軍事的脅威には、核の保持は有効である。北朝鮮領土内に米軍が侵入してきた時の事態を考えれば、それぞれの政権の「痛みの感じ方」には、大きな開きがあるわけだ。ここではキム政権は優位に立つ。
米国は、イラクではその実を得ることなく撤退し、アフガニスタンでも同様の結果を招きつつある。もう、戦争をして歩く財政が無いのだ。それを、北朝鮮はしっかりと見抜いている。敵の懐事情が見えていて、その意図も見えていれば、「多少派手に反応した方が、南朝鮮も米国も喜ぶかも・・・」という思いを持ったとしても不思議ではない。

6.だが、「芝居」は時として現実のものへとなってしまう。それは、過去の歴史が物語っている。事実を正確に知ることが重要であり、現実の世界は、水戸黄門や西部劇のように単純明快ではない。国民の短絡思考を前提にやっている米国や李明博政権の火遊びも危険だが、短絡思考を増長させている日本のマスコミもまた非常に危険な行動を取っている言わざるを得ない。
人によっては「無能なマスコミ」というが、それは間違いだ。悪く言うと確信犯であり、善意の目で見れば、スポンサーに拘束された確信犯と言うことが出来る。「無能」なのは国民の方である。

今回の南北砲撃戦事件の詳しい事情は河信基の深読みを読んで欲しい。(yh)

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