ドル体制崩壊に始まる次のシナリオ---インド ホテル襲撃事件に想う
金融危機に始まるアメリカ経済の崩壊は、その危機の度合いを深めつつある。
メディアによっては、「2、3年は続くだろう」と暢気な事を言っているところもあるが、それは幻想にしか過ぎない。たとえば過去の事例では、80年前の恐慌はほぼ10年を架けて進行している。現実を無視したように思えるこうしたニュースは、ただ「期待」を振りまき、自らに言い聞かせているだけなのだろう。
事実、アメリカ金融機関の抱える不良債権、つまりサブプライムローン等に絡んださまざまな証券などの金融商品を、破綻を前に回収するには、地球上の金すべてをかき集めても足りない位に膨大だと言われている。
立ちすくむ経済
危機に立たされた金融機関、アメリカ政府、さらにEU各国政府、企業は、この危機の前に立ちすくむばかりである。
11月26日、パナソニックによる三洋電機買収交渉は暗礁に乗り上げた。原因は、パナソニック側が、三洋電機の株を持つ米ゴールドマンサックスの足元を見た低価格(120円)での買収提案をしたためである。米ゴールドマンサックスは280円前後を想定していたようだ。
倒産の危機を回避する為、急いで資産の売却をしたい米ゴールドマンサックスは、想定以下の低価格に、売却交渉をストップせざる終えなかったわけだが、私の感覚から言えば、パナソニック側の提示額のほうが妥当のように思える。
電機各社も、市場の縮小にあわせ、資産規模を縮小せざる得ない現状にある。業績不振にあえいでいる三洋電機を先週末終値(11月第3週、160円)を下回る金額は、誰でもが思いつく金額であるだろう。「落ち目の会社は買い叩かれる」という原則は、米ゴールドマンサックスには理解できないらしい。資産整理すらスムーズに進められないくらい、彼らは立つすくんでいる。
一方、同日の経済紙面には、イギリス資本の鉄鋼大手BHPが、同じ大手のリオ社買収を断念したというニュースが大きく出ていた。
ほんの数ヶ月前までは、中国の経済成長に押され、鉄などの金属高騰が、くず鉄の高騰に始まり、銅線泥棒の横行が日本のニュースを賑わせていたのだが、その胴も一年前から4割下落し、鉄鉱石価格も2年前に戻ったという。
資本家達が危機に瀕したときの定型的シナリオ
このように、世界経済が停滞し、後退局面に向かうとこの時期には、必ず決まって起こる一つのパターンがある。
80年前には満州事変が起こったが、そのような事件が起こっても不思議ではない時代だ。
もっとも特徴的なのは、ニューヨークのタワービル崩落に代表される9.11事件だが、先日にも、不可解な事件が起こっている。インド発のホテル等同時襲撃事件だ。
マスコミは何か起こるとまず、「テロ」と決め付けるようだ。小泉純・・・・じゃなかった、小泉毅容疑者の起こした殺傷事件も、一時テロ事件となっていたようだ。
彼らマスコミやアメリカ政府・日本政府の「テロ」の意味、使い方は、「平和を望まない一部の過激はグループの行為」を指しているようだが、ウィキペディアではテロ、つまりテロリズムへの定義に、少々意味深な定義を与えている。「テロリズム(テロル、テラー、テロリズム=Terror, Terrorism)とは、一般に恐怖心を引き起こすことにより、特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力行為、またはその手段を指す。現代では行政組織・国家権力・社会・文明に対する過激派の暴力行為・冒険主義をさす事例が多く、最近ではその動機が多様化し、攻撃目標も要人から一般市民に変わってきている。歴史的には国家・行政組織側による暴力的抑圧(恐怖政治、粛清等)を含み、体制・反体制を問わず暴力と恐怖を活用することで大衆世論を支配する手段を意味した。」(wikipedia) と。
この襲撃事件の犯人探しを、いまここでするつもりはない。ここで大切なのは、「利害」という切り口で事件を分析する姿勢である。「9.11の流れでイスラム過激派がまたやったのだろう」と言う発想は、80年前の満州事変の引き金となった一連の事件を、「中華民国政府」を犯人としたときとほぼ同じである。政府が言うから正しいのだろうと、思考を中断し、政府発表を鵜呑みにすると、かつての暗黒の時代と同様の結果を招くこととなる。
重要なことは、「誰が得をし、誰が不利益をこうむるのか」を深く考えることである。
当時、最終的にはアメリカが利益を得たのだが、当初の目論見では(戦争に勝てていれば)、三菱、三井などのような財閥グループが巨万の富を得ていたはずであった。まあ、最終局面、勝ったアメリカに擦り寄り、利益を手にしたことには変わりはなかったが・・・。
今、アメリカを初めとする世界中の金融資本は、新たな収入源を求めている。それも、何年もの時間と労力を掛けて盛り上げていく、製造業などの産業ではなく、手っ取り早く稼げるバブル的ビジネス、国民からの収奪としての増税の為の手段、を求めている。
それは、戦争だ。
ありもしない敵を作り上げ、世界の危機、民主主義の危機を煽り立て、軍事産業を盛り上げ、戦争を理由に、自国民からの収奪を強化し、戦争景気を盛り上げ、株価をつり上げ、原油価格をつり上げ、属国(日本などなど)からの支援金を巻き上げ、結果、金融機関にまた、金を流入させる。
そんなシナリオで、一体誰が損をするのかを、日本の国民は良く考えるべきなのではないだろうか。
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コメント
興味深く拝見しました。期待しながら覗いております。
投稿: ぼんぺい | 2008年12月 4日 (木) 02時15分